
スティングは昨年、ザ・ポリス時代のバンドメイトであるギタリストのアンディ・サマーズとドラマーのスチュワート・コープランドから、著作権料の未払いに対する訴訟を起こされました。彼は2人に対して既に合計87,000米ドル(日本円にして1億4,000万円近く)を支払ったことをBBCが伝えていますが、2人はまだ納得していない模様です。
コープランドとサマーズがスティングと彼の音楽出版社を相手取り、彼らが「ロクサーヌ」「マジック」「見つめていたい」といった名曲から得られたはずの200万ドルから1,075万ドルのロイヤリティを受け取っていないと主張して裁判を起こしました。スティングは世界各国でNo.1ヒットとなった「見つめていたい」1曲だけでも、概算で毎年740,000ドルの印税収入(=約1億1,700万円)を得ていると言われています。
今週水曜日(1月14日)にロンドン高裁で開かれた予備審問には、ポリスのメンバーは誰も出席しませんでした。審問は15日に終了しており、後日裁判が開かれる予定です。
今回の係争の火種はポリスの活動初期まで遡ります。バンドのメンバーたちは当初、アレンジャー報酬として各々15%ずつのロイヤリティを受け取ることで合意していました。この取り決めは1981年に正式な同意書の形に整えられ、1997年に改訂が施されました。コープランドとサマーズは今回、この先般の合意について、物理的なレコードの売り上げがストリーミングに取って代わられた今の時代の事情に即して再解釈されるべきだと主張しているわけです。
コープランドとスチュワートは、ポリスのバックカタログの「デジタル利用」からも、アレンジャー報酬は支払われるべきだとしています。スティングはこれに反論し、その後2016年に交わした合意書では、「レコードの生産から」生じたロイヤリティのみ──ストリーミングには言及なし──の支払いが規定されているとしています。彼の代理人弁護士はストリーミングされた楽曲は「セールス」ではなく「パブリック・パフォーマンス」であると説明しています。
本件の訴訟が起こされたのは、スティングが2022年に自身のソロ楽曲とポリス時代に書いた全楽曲の著作権をユニバーサル・ミュージック・グループに売り渡した超大型契約の直後のことでした。伝えられるところではこの一括取引によって2億米ドル(300億円超)が動いたと言われています。